非定型方歯痛って知ってますか?

 非定型方歯痛とは通常の歯科疾患 虫歯による歯髄炎、歯周炎 歯槽膿瘍などの原因でなく 歯の痛みや、顎骨の痛みを感じる疾患を指します。通常歯の痛みや顎が痛いなどを訴えてきた患者さんにはレントゲン診査や患部の触診、打診などを行いますが、明らかに問題のない歯で症状を訴えます。多くの歯科疾患では原因歯というものが存在し、ほとんどが感染による炎症反応の結果痛みや腫れを生じてます。この非定型方歯痛では健全な歯でも患者さんは痛みを訴えます。まして 治療の既往がある場所であれば 私たち歯科医も再治療に入ることもまれではありません、しかし歯や顎骨の炎症がないわけですからいくら治療しても 痛みの改善はないのです。その結果 患者さんは苦痛のあまり その歯を抜いてほしいと訴えてきます。しかし 抜歯しても痛みは一向にとれず、次には隣の歯が痛いと症状の変化や痛みの場所が変化します。この痛みの原因はと言うと簡潔に言えば、ストレスによる 脳の痛みの回路の混乱がこのような症状を発言させるのです。特に最近は脳科学の進展により脳内物質のドーパミンやセロトニンの分泌障害による様々な病態が説明されてきました、これらの脳内伝達物質の増減により神経代謝異常が起こり、痛みの発言などが起こることがわかってきました。治療方法も確立され、抗鬱剤が有効な治療薬として使用されます。
しかしこの病態に対して最も重要なことは本当に非定型歯痛かどうかの鑑別が治療の奏功に最も重要となります。

2009年11月17日 10:35 AM  カテゴリー: 未分類