審美歯科に欠かせない矯正治療

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40代の女性患者さんです。前歯の治療を主訴に来院しました。前医でセラミックの冠を入れたものの歯茎が下がりそれを治したいとのことでした。最初は綺麗に装着されていたとのことですが 経年的にこのような状態になったのことです。私はこのような治療を進める上で 何故このような状態になったかを想像、診査します。
歯ブラシの強い使い方による歯肉の退宿
歯周病の進行による歯周組織の後退
かみ合わせによるし歯牙の移動による歯肉の後退
舌の圧力による前方への歯の移動
元々不適合な処置による歯肉の後退
等、、、、、。診査しながら 想像して治療計画を立てます。このようになった原因が突き止められないと同じように高価な被せ物をしたところで数年後には同じ結果になることでしょう。
この患者さんの治療計画は下の出っ張った1本の歯を抜歯して、上下の前歯を後退させる目的で、目立たない矯正装置クリアライナーを使って矯正治療、その後歯肉の後退した部分に歯肉移植を行い最終的オールセラミック冠で処置を考えました。ここで大事なことは上下の咬みあわせを安定させることがこの治療での肝となると思います。このような場合には矯正による歯の移動や傾斜を直すことは絶対条件となります。乱暴なやり方をすれば奥歯まで削り冠を被せて咬みあわせを作る方法もあるかもしれませんが、傷つけた歯は元には戻せませんから、時間はかかりますが第一選択は矯正によるかみ合わせのコントロールと審美処置の為の歯の位置あわせです。患者さんに治療方針と費用を説明しました、最初はこの年で矯正ですかと考えてましたが 治療のゴールの為にの前処置とこれから安定したか見合わせの為に理解をしていただきました。
 よく週刊誌などで前歯ので凸凹を3回で治すとか数週間で治療完了出来ます。などとか宣伝してる広告を見ます。とても矯正で数週間では治りません、歯の根の位置が正しい場所にないと綺麗な歯並びは出来ません。歯を並べるために健康な歯の神経を何本も除去することなどナンセンスです。患者さんの気持ちを考えれば早く、綺麗に治したいのは理解できますが 決して魔法の杖は無いことをご理解ください。

2009年2月25日 3:53 PM  カテゴリー: 歯科技術情報